ゆかりっくのPodcast「大人の夜会〜一人語り」から記事にしてお届けします。
Podcastはこちらからお聞きくださいね。
↓
17日間の旅から帰ってきました
日本を離れて、17日間。
ソウル経由でフランスへ行ってきました。
旅はお好きですか?
いつもの暮らしを離れて、違う時間を過ごす。
そこで、まだ知らなかった自分に出会えたりします。
今日はその旅のお話をお届けします。
はじめてのヨーロッパ
アメリカ西海岸には毎年のように通っていました。
勉強をしに行ったり、お客さまをお連れしてリトリートをしたり。
去年はシアトルから大型クルーズ船に乗って、アラスカの沿岸をぐるりと巡りました。
それなのに、ヨーロッパは今回がはじめてでした。
パリは、光がやわらかい
パリに泊まったのは、合わせて3泊ほど。
それでも「住みたい」と思いました。
まず驚いたのが、地下鉄の通路です。
日本の地下鉄は白いタイルに蛍光灯、そして商業的なポスター。どこか殺風景ですよね。
パリの通路は、天井こそ低いのですが、壁一面にアートなポスターがずらりと並んでいます。
聞けば、貼り替え専門の職人さんがいるそうです。
紙にシワひとつない。
その通路でギターを弾きながら歌う人がいて、アコーディオンを奏でる人がいる。
夜はもっと素敵でした。
日本の都心は、赤、黄、青、緑のネオンでギラギラしています。人混みに入るだけで疲れてしまう。
パリの街灯は、ぼんやりとしたオレンジ色の電球です。
セーヌ川のほとりにその灯りが続き、歩道にはカフェのテーブルと椅子が並びます。
映画で観たあの風景が、そのままそこにありました。
建物は石造り。
地震がないので、何百年も前の建物がいまも使われています。
屋根の上には、小さな黒い煙突がポチポチ。
暖炉を使う人はもう少ないのでしょうけれど、それが残っているのが可愛らしいんです。
エッフェル塔では、日本人の若いカップルがウェディングフォトを撮っていました。
「おめでとうございます」と声をかけたら、はにかみながら「ありがとうございます」。
どうぞ、お幸せに。
スリが多いから気をつけて、と出発前にさんざん言われました。
おかげさまで、危ない目には一度も遭いませんでした。
列車の番線は、30分前までわからない
今回の旅は、十数人のグループでバスをチャーターして田舎を巡るものでした。
パリのホテルに荷物を預けるとき、行き先を伝えたら「どこそれ?」という顔をされたほどの田舎です。
最初の集合場所はボルドー。しかも現地集合です。
モンパルナス駅からTGVに乗りました。
フランスの駅には、日本のような大きな改札がありません。
ネットで買ったチケットのQRコードを、ホームの手前のゲートにかざして入ります。
そして、何番線に来るのか、30分前までわからない。
駅の広場で椅子に座り、電光掲示板に番線が出るのをひたすら待ちます。
その広場には街角ピアノが置いてあって、女の子がポロンと弾いたり、男性がジャズを弾いたり。
日本の駅のように「〇番線に参ります」というアナウンスは、一切ありません。
番線が掲示板に出たらホームへダッシュ。
ホームと車両のあいだには高い段差があって、重いスーツケースを「よいしょ」と持ち上げます。
初めての国の、初めての街の、初めての駅。
ハラハラドキドキでしたが、なんとかなるだろうと乗り込みました。
食料自給率が、120%の国
パリを出た途端、車窓はいきなり田舎の風景になりました。
平原がどこまでも広がっています。
フランスの食料自給率は120%ほどあって、輸出もしていると聞きました。
何があっても、食べることには困らない国です。
日本はどうでしょう。
食べ物は溢れているように見えます。でもそれは、見せかけなのかもしれません。
お米の値段が上がった、下がったで生産量を変えるのではなく、安定して供給できる仕組みをつくってほしい。
政府だけでなく、私たち一人ひとりも、もう少し本気で農業のことを考えたい。
フランスで、そう気づかされました。
農業をされている方には、本当に頭が下がります。
カヌレに、目が覚めた
ボルドーは、ワインの街。
そして、カヌレ発祥の地でもあります。
実は私、カヌレがあまり好きではありませんでした。パサッとした印象で。
ところが本場のカヌレを食べて、びっくり。美味しいんです。
はじめて目が覚めました。
ワイン造りの工程で卵白を使うため、余った黄身でつくられたお菓子なのだそうです。
エスカルゴもいただきました。
たこ焼き器のような丸いくぼみに、オイルとバジルと一緒に入れて焼くもの。
名物なので食べましたが、たくさん食べたいとは思いませんでした。正直なところです。
いちばん美味しかったのは、毎朝の朝食。
クロワッサン、バゲット、ヨーグルト、チーズ、ハム、フルーツ。
聞くだけなら普通です。でも、本場のクロワッサンはバターがたっぷり。乳製品の国ですから、ヨーグルトもチーズも格別でした。
2万年前の洞窟へ
学校で習ったラスコーの壁画、覚えていますか?
約2万年前にクロマニョン人が描いた壁画です。
地元の少年たちが、穴に落ちた犬を助けようとして洞窟に入り、見つけたのだそうです。
いまは本物が保護されているため、洞窟そのものをレプリカで再現した施設を見学しました。
教科書では1枚の絵しか見たことがありませんでした。
でも実際は、洞窟の壁いっぱいに、バイソン、牛、馬。何百体もの動物が描かれていました。
石を砕いて顔料をつくり、木の枝を筆にして。
圧巻でした。
ぶどう畑のなかのランチ
中世の街並みがそのまま残るサンテミリオンへ。
ぶどう畑に囲まれたワイナリーの庭で、風に吹かれながらランチをいただきました。
名物のフォアグラ。
そして付け合わせのフライドポテト。
鴨の脂で揚げているので、日本のポテトとはまったく違う、深い風味でした。
地産地消の国は、野菜も美味しいんです。
オービュッソンで、泣いた人
今回の旅でいちばんの目的地が、織物の街オービュッソンでした。
詳しくは前回の記事に書いたので、よかったら読んでみてください。
大阪・関西万博のフランス館、行かれた方はいますか?
正面に『もののけ姫』の大きなタペストリーが掲げられていました。
それを織ったのが、オービュッソン織りです。
その工房に、ひとりの日本人女性がいらっしゃいます。
十数年前にオービュッソンへ渡り、人目に触れることのない仕事を、自分の工房でコツコツと織り上げてきた許斐愛子さんです。
スタジオジブリとのコラボで、最新作は『となりのトトロ』。
森のなかで、メイちゃんがトトロのお腹の上でお昼寝をしている作品です。
さらに、まだ公開前の新作にも取り組まれていました。
織物の前で、グループのひとりが涙を流していました。
地元の新聞社も取材に来ていました。
» オービュッソンの記事 → トトロの森がフランスで息づいていた
まさかの、パグがトリュフ狩り
トリュフ狩りの予定もありました。
トリュフは地面の中に埋まるように生えるキノコ。だから嗅覚がいい犬が探すのです。
大きな犬が数頭で「ワンワン!」と駆け回る姿を想像していました。
待っていると、向こうから地元のおばちゃんがひとり。
連れていたのは、小さなパグのような犬でした。
テコテコ歩いてきて、お散歩の続きのように、地面をクンクン。
イメージとのギャップに、笑ってしまいました。
トリュフそのものは買えなかったので、トリュフ塩を買って帰りました。
オムレツに入れると美味しいそうです。
大潮の日の、モン・サン・ミシェル
中世の頃、ある司教の夢に大天使ミカエルが現れ、「あの島に聖堂を建てよ」と告げました。
夢だから放っておいた。
2回目も、放っておいた。
3回目、ミカエルは彼の頭に指をぐっと押しつけたそうです。
目が覚めると、そこに穴が開いていた。
こうして、小さな礼拝堂から始まりました。
何百年もかけて、いまの姿になったのです。
私たちが訪れたのは、ちょうど大潮の日。
ふだんは陸続きの周囲が、潮が満ちると
一面の海になります。
中世の巡礼者は、ここへ遺書を書いてから旅立ったそうです。
潮が満ちると足元がぬかるみ、溺れる人が少なくなかったからです。
いまは橋が架かっているので、そんなことはありません。
幸運にも、島の中のホテルに泊まることができました。
昼間はものすごい人混みです。
でも夕方になると、観光客は対岸へ帰っていく。
島は、しんと静かになります。
夜、空を見上げると満天の星。
私は目が悪いので、そんなに星があるとは思っていませんでした。
写真を撮ってみて、はじめて気づきました。
こんなに見えていたんだ、と。
天の川が、はっきり写っていました。
モネの庭で
パリへ戻る途中、モネの庭に立ち寄りました。
モネは園芸家でもあって、この庭を自分でつくり上げたそうです。
この地に移り住み、毎日毎日、描き続けた。
晩年、モネは目が見えなくなっていきます。
親友だった当時のフランス首相が、わざわざ病院まで連れて行き、手術を受けさせたそうです。
そしてモネは、描き続けました。
モネの作品が並ぶオランジュリー美術館には、今回は行けませんでした。
次は美術館を巡りたい。音楽にも触れたい。
また、パリに行きます。
その後はまた、パリで2泊し、ソウルで5日間。
美味しいものを食べて、マッサージを受けて、チマチョゴリを着て、姪たちと合流して。
目一杯楽しんだ、17日間でした。
帰ってきてちょうど1週間。
やっと、日常が戻ってきた気がします。
モネの作品が並ぶオランジュリー美術館には、今回は行けませんでした。
次は美術館を巡りたい。音楽にも触れたい。
また、パリには、きっと行くことになるでしょう。
あのクロワッサンの香りに包まれた朝を迎えるために。
「大人の夜会」のお知らせ
毎週金曜日の夜にライブ配信しています(通常は21時から)。
次回は10月2日(金)22時からの予定です。
よかったら、またお耳を傾けにいらしてくださいね。

















ゆかりっくさん、私もヨーロッパの鉄道の雰囲気は好きなのですが、かなり難しいですよね😩
日本の便利さに慣れていると、ほんとに不便に思うことばかり。
旅は自分のキャパの小ささを、思い知らされる機会。
私も旅好きとして、お写真も楽しませていただきました🥰
ありがとうございます😊